赤城姫ニュース   2006 No.2(通巻108号)  2006.4.3発行

 会長あいさつ
 寒い冬が長引いて、春がすぐやってきてしまったような今日この頃ですね。椿と梅と、そして桜までが一緒に咲くかのような時期になりました。このようにどこか変な昨今の状況のなかですが、皆さま、お元気でご活躍のことと存じます。
 お手元にお届けした機関誌「赤城姫」第18号でもお分かりのとおり、2005年度の実績から、生息状況ではやや安定した上昇傾向を予測できます。皆さまのご支援・ご協力に改めてお礼を申し上げます。
 他方で残念なことに、私たちの観察調査と保護活動の隙をついて、ポイントに出没する「心貧しき人」や、野外成虫がネットワーク市場に姿をみせるとの「うわさ」も耳にします。軽視することはできません。環境変動のなかで狭いポイントでの採集圧への対抗策は、相変わらずの課題となっています。私たちの寄る年波にもかかわらず、その深山周辺でのルーチンワークの継続は依然として必要です。多くの方々のお力添えを得なければなりません。経験豊かで示唆的アドバイスと気持ちも若く元気な仲間のご参加をお待ちしています。
 赤城姫天然記念物指定から20年の今春、情報化の世に有効なホームページも完成して、全国の皆さまに豊かで活きた情報をお届けできます。新たに得られた田中標本・データの整理・解析と、野外観察・調査とを継続させ、今後のあり方も考えていきましょう。
 私たちの会の創立20年を迎える2007年に向けて、これまでの県や地域とのかかわりや、新たな渋川市赤城など里山での支援と共同作業の成果もふりかえり、新たな飛躍を目指していきましょう。(栃木 利夫)